カナダでの出産(産んだ!)
昨年の夏。
カナダに引っ越し、OHIP(オンタリオ州健康保険)も取得し、不安なことは多々ありましたが、大きなトラブルもなく無事に臨月を迎えて、お腹の中にいる次男の出産予定日に近づく。
お腹の張りも不規則だけど、頻繁に感じるように。早く産みたいなぁ〜
病院の看護師さんからの説明だと陣痛の間隔が5分になったら病院に来てと言われましたが、私の産婦人科の先生に確認したら、私は経妊婦なので10-15分くらいになったらもう病院に来てと言われたので、その通りにしました。
そして予定日より一週間前の夜中に規則的にお腹が張り続け、腰の痛みも歯を噛みしめるほどの痛さだったので思っていたよりも早いけどいよいよだ!と思って近くに住む母と友達に連絡して夜中の1時ごろに来てもらいました(夫は仕事の都合で日本にいました)。
友達には家で長男の面倒を見てもらい、私と母は荷物とOHIPカードを持ったことを確認してから病院へ。
因みに日本みたいに病院に向かう前に病院へ連絡する必要はありませんでした。本陣痛だと思ったらとりあえず直接病院へ行きます。
私がお世話になった病院は大きな総合病院で、夜中だったので救急の入口を使って病院へ入り、事前に指導されたように分娩診断室(Labour Assessment Unit)へ向かいます。
着いたら受付の看護師さんにOHIPカードを手渡して「ここ1-2時間の間に8分間隔の陣痛が、、」と状況を説明し、個室のようなところに案内され、子宮口の開きを見てもらいます。「無痛分娩するつもり?」と聞かれると「はい」と答え、「じゃあ、血液検査もするわね」と血もとってもらいました。結局その時はまだ子宮口が2cmしか開いておらず、私(リスク妊婦ではない)を入院させてくれるには4cmまで開いていないと行けないと言われ、少しがっかり、、、。診査を終えて「とりあえず、今から2時間ほど病院内を散歩してきてからここへ戻ってきてね。変化がないかまた診てみるわ」と言われ、病院の廊下を行ったり来たり歩きました。陣痛は時々感じたもののまだなんとか耐えられる痛さで、もうとっとと産みたいというモードだったので、スクワットしたり小走りしたり、頑張って体を動かし歩きました。
そして2時間経ってまた診査してもらったら子宮口は2センチのまま、、、。産婦人科の先生に相談した結果とりあえず家も近いし、家に帰ってね。と結局夜中の4時までただめちゃくちゃ運動して帰ることになりました。陣痛も知らない間になくなっていました。
そしてまた4日後のことです。
夜中にお腹の張りがかなり強くなって、あれこれはマジかも?!と判断して”また帰らされたらどうしよう、、、”と申し訳なく友達と母に連絡して来てもらいました。
そして来てもらったら、ぐーぐー寝てる息子を起こさないようにこっそりアパートを出る。
病院に到着、即診査へ。
看護師さんが子宮口の開きをチェック。
2.5センチ、、、この前きた時とほとんど変わってないじゃん、、えええ、、、
そして女性の産婦人科の先生が来て、「先日同じような陣痛があってここに来たのよね!また帰ってもらうのはかわいそうだから内診グリグリするわよ!」とこれまた痛かった、、、
歯を食いしばってグリグリされ、
先生「あと30秒我慢できそう?!」
私「はい、、、、😭」
グリグリグリグリ、、、
先生「前産んだのはいつ?」
私「1年半前です」
先生「えええ?!最近だね!じゃあ身体もこれから何するか覚えているはずね。今子宮口触った感じだとすごく柔らかいからあっという間に開きそうよ。じゃあ、今から病院の中2時間くらい散歩して来てね。もし痛みがひどくなったり、異常を感じたらすぐ戻ってくるように。体力保存しないといけないからあまり無理しないでね。」
と言われ、スマホの陣痛タイマーアプリで陣痛の間隔を計りながら病院の廊下を1時間半ほど歩きました。
恐るべし内診グリグリ(こっちでは「スワイプ」)、薄暗い廊下を歩き始めると一気に陣痛の痛みが強くなり、感覚も短くなっていきました。廊下にある手すりを握りながら痛さをこらえ、最後は痛みで手が震え始め、また診てもらおうと戻りました。この時点で麻酔、麻酔、麻酔いいいいい!
再び子宮口チェック
看護師「4センチよ!もう入院手続きできるわ。」
私「麻酔は?」
看護師「手続き終わったら分娩室に移動してすぐ打てるよ。」
と母に分娩手続きをしてもらい、その間私はローブにお着替え。
麻酔が打てる!と少し安心したけど、そのことしか考えなくなったので、すごい時間が長く感じて余計に陣痛も痛く感じた気がしました。
着替えも終わって、手続き終えたら車椅子に乗せられ分娩室にやっと案内されました。
それがこちら:
夜中の1時半。
いよいよだ。
日本にいる夫に状況をLINEでアップデート。
「麻酔打ってもらったらまた連絡してね」と言われ「はーい」と返事してベットに横になって、陣痛に耐える。
ひたすら耐える。
そしてだんだん強く、長ーく、間隔も15秒くらいで休むこともできない。
そういえば私の麻酔はどうなってるんだ。
麻酔大国の北米なんだからさっさと打ってくれー!!!
私「麻酔はいつ打てるの?」
「今麻酔科医が緊急帝王切開手術にいるからもう少し待ってね。」と担当の看護師さん。
しかし待っても待っても来ない。
予想外だ、、、ここまで痛みの逃し方とか真面目に予習してこなかったので(長男も無痛分娩でした)、もう母の手を握りながら叫ぶくらいしかなかった。
ヒーヒーフー、これよく聞きますよね。
私も実際体験するまでなんでそんなに大事かが分からなかったのですが、軽視してはいけません!
痛みをこらえて息を止めたい自分、痛みを逃したくて叫びまくる自分がごちゃ混ぜになって息の仕方が分からなくなって、パニックになります。
なので、痛みはもう身に任せて耐えて、息することだけに集中します。
息をすればきっともっと大変であろう赤ちゃんのためにもいいから。と、産まれてくる子が頑張ってることを思いながら、とにかく呼吸に集中しました。
ちょうど陣痛を耐えている最中にやっと麻酔の先生到着。
「麻酔を打てるように彼女を座らせて」と激痛を耐えるなか必死で姿勢を変える私。
赤ちゃんの頭がかなり下がっていてベットに座るのもすごく不快に感じました。
やっと麻酔を打ってもらえる体勢になった時に、
ピーピーピーピー
麻酔科医のページャーだ(業務用ポケベル)📟。嫌な予感。
「ごめん、5分で戻る!すぐに行かないといけないのがある!行かなかったら死んじゃうかも!」
「okay…..😭」と歯を食いしばりながら返事する私。
そして座りながら陣痛に耐え続ける。もう地獄。
予想外にリアル自然分娩するんだ、、、どうしよう、と一瞬パニックでしたが、もうなるようにしかならない、、、、
座る体勢にも限界を感じて、また横になりました。
看護師さんがまた子宮口チェック。
「8センチよ!」え?早い。
そこで足の間からブシャーーーと水らしきものが飛び出て、部屋中べちゃべちゃ。なんだ一体?と驚き。
すっかり忘れていたけど、やっとこの時点で破水。
看護師「あははははは、私にかかるところだったわ!あぶなーい」とゲラゲラ。
「もう妊娠なんかしたくなーい!」と母の手を握りしめながら愚痴る私。
「がんばれ!お母さんは強くなくちゃ!」と母に言われるものの、そんな綺麗事に共感する余裕などなく
「うるさい!(泣)」と母に当たる私(笑)。
もういきむ以外痛みを逃す方法はなく、
「いきんでもいいですか?」と看護師さんに聞いて
「もちろんよー、いきみたいと思ったらいきんでねー」
そしていきみ始めたのが、3時45分。
赤ちゃんの頭が出てくるのを感じ、
「はい!ちょっと待って!いきむの休憩よ!」
想定していたより早くでて来そうな赤ちゃんに慌てる看護師さんがベッドにある呼び出しマイクに
「デリバリー!デリバリー!デリバリー!!」
と援助を呼ぶ。
一気に部屋にスタッフ4-5人がどどどっと入り、慌しくスタンバイし始めた。
もう我慢できない私はいきんで赤ちゃんがニョロニョロっとでてくるのを感じ、あの内診グリグリしてくれた先生がダッシュで入ってきて次男をキャッチ。
3時55分、いきみ始めてから10分後に元気な男の子が産まれました🙂
2人目だとやはり早いんですね。
看護師「臍の緒は誰が切るの?」
私「看護婦さんか先生が切っていいですよ(誰でもいい)」
(2人目だとこういうのもどうでもよくなってくる笑)
看護師「何言ってるの!せっかくいるんだからお母さん、ハサミ、はい!」
と結局母が臍の緒を切ってくれました(笑)。
こっちでは普通は旦那さんが切ってくれることが多いようです。
そして、診断して問題なさそうと判断したら、すぐに私の胸の上に赤ちゃんを置いてくれます。
長男を日本で産んだ時は臍の緒を切るのは医療行為と見なされるので、医療スタッフ以外にはさせてくれませんでした。
やっと終わった〜と落ち着く私。
夫にまず報告しないと!と携帯を久々に手にすると、「おーい!」「麻酔まだ?」「大丈夫???!」「連絡ちょうだーい」と心配したメッセージが届いてました(笑)。
産後の入院経験も別の機会にレポートしますね