カナダ中銀、金利据え置き(2018年3月)
BoCは政策金利を据え置き
カナダ中銀は3月7日、政策金利を1.25%で据え置きました。市場予想どおりです。
世界経済は堅調、米国は政府支出や減税で2018年と2019年の経済が押し上げられるとポジティブに評価しつつも、米国の関税等の貿易政策について、グローバル、カナダ経済の見通しの不確実性を高める要因として懸念を表明しています。
2017年後半には住宅の強いデータが見られたが、今年に入り軟化したと指摘。新たな規制の影響を測るには時間が必要と言いつつも、昨年の動きについて住宅規制強化前の駆け込み需要との見解を示しています。
インフレは2%程度で推移して、経済はキャパシティ付近にあるとの認識も示しています。また、賃金の成長は堅調なものの、経済の緩みがなかった場合に比べると低い状態になっているとの認識も示しました。
市場へのインパクトはゼロ
カナダドルは、ほぼ無反応でした。
発表前は対ドル1.2915-20辺りでしたが、発表後もほぼ水準を変えず推移しています。市場予想どおりですし、米国の鉄鋼等の関税が明らかに懸念されていましたから特段の驚きはないですよね。
前回2018年1月の利上げ時点のカナダドルが1.24台、89円台だったことを考えると、いまの1.29台、82円までよく変化してきましたね。NAFTAの不透明とVIXショックでの株安、米国の関税導入表明など、カナダドルにはネガティブな材料が続きました。今後はどうなるでしょうか。NAFTAの行方に加えて米国の関税によってますます不透明感が強まってしまいましたので、BoCは動きづらいですね。CPIの伸びが高まるか、労働市場が極端に引き締まって賃金の伸びが加速してくることでもなければ、米国の政策動向を見ながら緩やかな金融政策の調整を慎重に慎重に進めていくしかないのではないかと思います。