カナダ中銀(1.25%据え置き)
BoCは予想通り据え置き
カナダ中銀は、2018年4月18日に市場の予想通り金融政策の据え置きを決定しました。
声明文では、カナダのインフレがコア指数を含めて予想どおり2%近辺まで上昇しているという認識が示されているほか、ガソリン価格の上昇や最低賃金の上昇によって1月時点の見通しからインフレが僅かに上昇しそうだという見解を示しています。
世界経済についても1月時点よりもポジティブな見方をしているようですが、地政学的リスクと貿易戦争への懸念を表明しています。
カナダ経済については、第1四半期は予想より弱かったものの、第2四半期は反発するとの見通しを示しています。また、今後3年の成長率についてもポジティブで、2018、2019年は2%、2020年は1.8%と予想していて、潜在成長率を上回るとしています。
第1四半期にGDP成長率が弱かった要因としては、住宅規制が今年から始まった影響(昨年末の駆け込み需要を含め)や、輸出の鈍化挙げていますが、どちらも今後改善していくとの見通しを示しています。
個人消費については、力強い所得の伸びに支えられて好調を維持しているとの見解を示しています。
市場の反応
カナダドルは、発表前は対米ドルで1.2550〜60でしたが、発表後は1.26台前半までカナダドル安となりました。
今回は当然据え置きだろうと思っていましたが、カナダドル安の動きを見ると一部には利上げの期待もあったのかもしれません。
今後の動向
NAFTA再交渉が妥結する可能性が報じられていますが、依然として不透明感が強い状態です。
米国と中国の貿易戦争による影響も懸念されます。
BoCのスタンスとしては米国の利上げに追随していくことでカナダドルと米ドルのレートを大きく動かさずにいきたいのではないかと考えています。
その観点からすると、市場では米国の利上げが年内あと3回という見方も依然として根強くあるようですので、BoCの利上げもまだまだ続くということになりますが、米国の利上げがそれほど順調に進むかどうか、最近の経済指標や株価の動向からやや懐疑的に見ています。
いずれにしても、外部要因が多いので新たな情報を消化しつつ考えていくしかない状況です。
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[…] カナダドルについても、カナダ中銀が4月18日に政策金利を据え置いたタイミングは1.25台でしたが、その後に発表された3月のCPIが低調な伸びとなったこともあり、直近1.28台までCAD安USD高となっています。 […]