カナダの4月のCPIは予想を下回る結果
カナダの4月のCPIは予想を下回る結果も、コアは予想通り
5月18日に発表されたカナダの4月のCPIは、全体の数値が前年比+2.2%となり、市場予想の2.3%を下回りました。
3月の2.3%から伸びが鈍化しています。
コアの数値は、以下のとおり概ね予想通りでした。
CPI−trim 2.1% (予想2.1%)
CPI−median 2.1% (予想2.1%)
CPI−common 1.9% (予想1.9%)
カナダの3月の小売売上高は弱い
CPIと同時に、3月の小売売上高が発表されましたが、これが非常に弱く、今回のCPI+小売でカナダドルが売られました。
3月の小売りは、前月比+0.6%(予想+0.3%)の伸びとなりましたが、除く自動車では‐0.2%(予想+0.5%)と、増加予想に反して減少という、非常に弱い結果となりました。
カナダドルは5月のBoC利上げ期待後退で急落
これら2つの指標を受けて、カナダドルは対ドルで1.28付近から1.29付近へと大きく下落しました。その後は引けにかけて1.28台後半へ持ち直しています。
5月のBoCの利上げは、カナダの雇用統計が低調だったことですでに期待が後退しつつありましたが、CPIの全体の数値の2%を上回る圧力が強くないことが観測されたほか、コアが全く予想通りであること、個人消費に弱さがみられること、NAFTAの交渉が依然として進展しないことから、いよいよ利上げは遠のいたと言えそうです。
期待が高まっては後退するNAFTA再交渉を筆頭に、アルゼンチンやトルコといった新興国でドル高の弊害が顕著になっていること、イタリア国債が急落していること、米朝会談の開催が怪しくなってきたことなど、不透明感を強める要因が大量に重なっています。
FRBの6月の利上げは行われないとサプライズでしょうが、カナダが5月に利上げをするのは非常に難しいタイミングと言わざるを得ません。
今回のCPI、小売が決定打になり、物価圧力が高進するリスクは高くないと判断できることから、BoCは利上げを見送ることになるでしょう。