カナダCPI(8月)、コアがやや加速も概ね予想どおり
カナダの8月のCPIの全体は予想を大きく上回る結果
9月21日に発表されたカナダの8月のCPIは、前年比2.8%の伸びとなり、7月の3.0%から伸びが鈍化しました。8月の伸び率は、市場の予想どおりでした。
輸送費の伸びとガソリンの伸びが鈍化したことが、7月の伸びが鈍化した背景となっています。輸送費は7月の前年比8.1%が7.2%に鈍化、ガソリンは25.4%から19.9%に伸びが鈍化しました。水道、電気、燃料費も7月の3.0%から2.2%へと鈍化しています。輸送費については、伸びが鈍化したものの、指数構成項目のなかで最大の上昇要因となっています。
8月のコア指数は、前月から小幅に伸びが加速しています。
8月 CPIコア指数(前年比伸び率)
CPI−trim 2.2% (7月2.1%)
CPI−median 2.1% (7月2.0%)
CPI−common 2.0% (7月1.9%)
同日に発表された7月の小売売上高は好調な伸び
7月の小売売上高は、前月から0.3%上昇、市場予想どおり。
自動車を除いたベースでは、前月から0.9%の上昇となり、市場予想の0.6%を上回る高い伸びでした。
カナダドルは上昇も、すぐに戻す
経済指標発表後、1.2920-30あたりから1.29割れまで30pipsほどカナダドル高となりましたが、引けにかけてはまた1.29台に戻りました。
BoCの10月の利上げ予想(+さらにもう1回の年内予想が大体の市場コンセンサスの模様)は変わらない状況ですが、市場の焦点は翌週のFOMCに移っており、今回の指標での大きな動きはありませんでした。
FOMC後には、ポロズBoC総裁の発言機会があるようですので、最近のNAFTAをめぐる問題への懸念の度合など、年内のBoCの利上げペースを占う機会になりそうです。