カナダの新築住宅価格は1年前からほぼ横ばい
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カナダの新築住宅価格は1年前からほぼ横ばい
8月9日に発表された2018年6月の新築住宅価格は、カナダ全体の数値が前年同月比で0.8%の上昇となりました。
前月比の数値は、3カ月連続で横ばいが続いた後に、6月は0.1%の上昇となりました。
新築住宅価格指数は、昨年2017年11月にピークを付けて以降、ほぼ横ばいで推移していて、2018年6月には2017年11月比で0.1%の下落となっています。
販売活動が住宅ローン規制で低調ななかで、木材の価格上昇(前年比34.3%の上昇)となったことが価格上昇の背景にあるようです。
新築住宅価格の前年比伸び率は減速
前年比の数値の伸びを見ると、緩やかな前年比での上昇が続く中で、伸びが減速していることがわかります。
2018年6月のデータでは、前月比で伸びた地域としてはモントリオール1.0%、オタワ0.7%などとなっています。
トロントは前月比横ばいで、前年比1.3%の下落となっています。バンクーバーやオタワが前年比で比較的高い伸びを維持するなか、トロントの下落が目立っています。
長期的な住宅価格は住宅供給量が増えないなかで、人口増加が後押し
住宅供給量は、過去10年間20万件前後での推移となり水準をほとんど変えていません。
一方で、需要側のカナダの人口は同期間で12%の増加となりました。移民を背景とした人口増が住宅市場を支えているのでしょう。
7月の住宅着工件数は予想を下回る弱い数値
8月9日に発表された2018年の7月の住宅着工件数は、20.6万件と、市場予想の21.9万件を下回りました(数値は季節調整後、年率換算の数値)。
戸建ては前月から3%の減少、集合住宅は前月から21%の減少となっています。
オンタリオは前月比34.8%、ケベックが30.9%の減少と、目立っています。
当該データからは、住宅市場が引き続き低迷というか、横ばいで推移しそうな様子が伺えますが、資材価格の上昇や人口の増加、住宅の供給が増えていないことから、住宅価格は堅調に推移しそうです。
上記の住宅価格の前年比変化率は、リーマンショックの時の最大の下落(2008年9月→2009年6月)で3.5%の下落にとどまっていましたので、カナダの住宅というのは根本的に下がりにくいのかもしれませんね。
投資で急騰していたシドニーの住宅価格はアパートメントを中心に前年比5%程度下落していて、まだまだ5-10%ぐらい下がりそうな様相ですが、カナダは少し状況が違うのかもしれません。