今年は家を買うべき?住宅価格に影響する要因
おはようございます!東京は今晩雪が降っているようですね。みなさまどうかお気をつけてご帰宅を。今日のトロントは珍しく雨が降っています。
さて、2018年は家を買うべきか?住宅価格に影響する可能性のある5つの要因という興味深い記事がありましたので、自分の勉強も兼ねてポイントをご紹介したいと思います。
今年は住宅価格の上昇は今までと比べてだいぶ緩やかになると見込まれていますが、どのようなことが影響しているのかを把握しておきたいですね。
OSFIストレステストのルール
今年から5大銀行で住宅ローンを借りるためには必ずBoCが公表しているプライムレート/MQR(17日にBoCが利上げしたことによって4.99%から5.14%に上昇)を用いたストレステストを受けなければなりません。
銀行が貸してくれるローンの金利が例え3.14%でも、5.14%でローンを返せるかどうか審査されます。このテストを通らなければ住宅ローンは承認されません。
2%ポイントの差は一般な住宅ローンの場合だと月々数百ドルの差となります。
このストレステスト実施のルールが始まったことにより、これから今より高い物件の購入の検討をしていた人はテストによってローンを借りることができず、住宅市場からの買い手が減り価格下落要因となります。
TD Economics はこの新制度により住宅購入需要が5-10%減少し、住宅価格も2-4%下落させると予想をしています。
TD Economics estimates that the new rule will cut demand for homes by five to 10 per cent, shaving two to four per cent off prices.
ただし、影響されると思う買い手はおそらく2017年のうちに駆け込んで購入している可能性もあるので、それほど影響はないという見方もあるようです。
金利
住宅ローンの金利はBoCが決める政策金利に追随して変動します。金利が上昇すればするほど、住宅を購入できる人は減り、価格の下落につながります。
現在カナダの経済は堅調に成長していることから政策金利の上昇する可能性が高いといえます。RBCは2018年には現在の1.25%から2.00%に利上げが行われると予想しています。よって今年も住宅ローン金利の上昇も見込まれます。
しかし、金利が上昇したとしても10年前も5年前よりも低いレベルにとどまることから影響は限定的といった見方もあります。
Soper agrees. Overall, he thinks the impact of rising rates on prices will be modest. “Mortgage rates will still be lower than they were 10 years ago and five years ago,” he points out.
「ミレニアル世代」人口のピーク
ミレニアム世代とも呼ばれるベビーブーマーの子供世代は人口の大きな割合を占めます。
カナダではこれらの世代は現在住宅を購入する年齢にまで成長しており、その人口は記録的に伸びています。2018年には約256万人が25-30歳であることが見込まれており、5年前より約15万人の増加となります。
ミレニアム世代の住宅購入の需要は非常に大きいとのことです。
“The pent-up demand for housing from millennials is enormous,” Soper says. “It’s just such a large cohort of people that are moving into the prime first-home space.”
不動産会社Royal LePageがミレニアム世代1000人に行った調査では、たった35%の人しか住宅を購入しておらず、購入していない69%がこの先5年の内に購入したいと考えているとのことでした。
Royal LePage hired a company to survey 1,000 millennials in June and they found that only 35 per cent of them already owned a home. Of those who didn’t yet own, 69 per cent said they wanted to buy within the next five years.
従って、OFSIのストレステストや金利上昇によって住宅の購入を諦める人がいてもミレニアム世代による需要で住宅価格は支えられるかもしれません。
移民の増加
移民も住宅価格を支える要因になります。
2004年から2014年には年間約236,800〜281,000人の移民をカナダは受け入れました。自由党は2016年にその数を更に296,000人に増やし、2017年には300,000人の移民が見込まれ、2018年は310,000人を受け入れることを目指しています。
移民の増加は住宅価格を支え、特に移民が移住しやすい大都市での価格が支えられることが予想されます。
海外の規制強化の動き
海外情勢もカナダの住宅価格に影響を与えることがあります。
過去に著しく影響したのは、2007年の第4四半期から2009年の第1四半期に価格が11%も下落した時でした。背景には米国のサブプライム住宅ローン危機があり、カナダには直接的に関係はなかったものの国内の消費者信頼感が大きく悪化したことが住宅価格に影響したと考えられます。
Pasalis, the president of Realosophy Realty, says that “a lot of that was consumer confidence” related to the foreclosure crisis in the United States, where policymakers had allowed all kinds of risky lending that was never actually a problem in Canada.
“People were freaked out about the housing markets around the world,” Pasalis says. “If consumers start becoming less confidence, they hit pause on a lot of things.”
最近ではニュージーランドで外国人の中古住宅売買規制が例として挙げられます。
ニュージーランド自体小さな国ではありますが、規制強化を受けて海外投資家をカナダの住宅市場に目を向かせるきっかけとなり国内の価格上昇につながるリスクもあります。
以上、今年の住宅価格を影響する要因をご紹介しました。
国内の不動産会社や大手銀行の今年の価格見通しは上昇を予想しているものの、いずれにせよ過去と比べて緩やかなものとなりそうです。