カナダのガソリンは高い?!
カナダのCPI(消費者物価指数)
BoC(カナダ中銀)の利上げが話題になっていたのでカナダのCPIがどうなっているか気になって見てみました。
2017年11月のCPI(All-items)は前年同月比で2.1%上昇、10月の1.4%から伸びが加速しています。ガソリンを筆頭にエネルギーの価格上昇が大きく影響しています。
コアCPIでは、BoCが参照する3つのうち2つの伸びが加速していましたが、CPI-commonは僅かに伸びが鈍化しています。コアの伸びは最近加速していますが、BoCのインフレターゲットからすると物価的に焦って利上げするような状況ではないですね。ただ、いまBoCが考えている「徐々に金融刺激を必要としなくなる」の背景としては、好調な雇用市場と合わせて十分かもしれません。
BoCのインフレターゲット
BoCのインフレターゲットは、CPIの伸びを中長期的に1-3%の中間である2%にすることを目的としています。そのために政策金利を適切に調節し、政策変更が物価に反映される期間として6-8四半期でインフレターゲットを実現することを狙っています。
カナダのガソリンは高い?
ガソリンの値段が上昇しているということですが、最近トロントで自動車を運転するようになり、たしかに想定していた以上にガソリンが高いなと感じています。感覚的には、日本より若干安い程度でそれほど変わらないという気がします。
1990年から2017年までのトロントのレギュラーガソリン価格を見ると、やっぱりこの20年でかなり上昇していますね。
同期間の東京の小売価格を見てみると、上昇幅は大きく差がでていますね。日本も1970年代から見るとオイルショックを経て2倍以上になっていますが。
現在のカナダドル・円を90円とすると、最近のトロントのガソリン価格は円換算では1リットル110円に相当します。最近の東京のガソリン価格は1リットル140円程度です。1990年1月は、東京が127円でトロントが61円(当時のカナダドル・円を125円として換算)でした。依然としてトロントの方が安いのは間違いないですが、過去20年で価格差は大きく変わってしまっていますね。では、米国はどうだ!!ということで、ついでに見てみます。米国もカナダと似た推移ですね(週次かつガロンのデータを月次・リットルあたりドルにしています)。最近の価格は、いまのドル円110円で換算すると72円程度となります。だいたい日本の半値ぐらいでしょうか。こちらは安く感じますね。
カナダと米国の差はどう考えればいいですかね。米国の東海岸のデータがとれた1992年からの変化は両国とも+120-130%で同程度ですが、カナダの方が上昇率が10%程度高いです。一方、この間のカナダドルの対ドルレートは0.90-1.60で推移していますが、1992年頃は1.20付近で、現在の為替レート1.24-1.25と大きな差はありません。この期間のカナダと米国のガソリン価格の変化としてはざっくり言ってほぼ同程度の推移といえるのではないかと思います。ただ、90年代からカナダの方が高かったというもともとの価格差があり、足元の価格差も大きく見えています。
それにしても、25年以上ガソリンの小売価格の水準が変わっていない日本ってすごいですね。