2018年のトロント住宅市場は、アパート中心に都市部が好調、郊外が低迷
トロントの12月の住宅価格は前月から概ね変わらず
トロントの2018年12月の住宅価格は、全体としては前月から0.08%の上昇にとどまり、ほぼ横ばいというこれまでのトレンドが続いています。
また、住宅種別で見ても、戸建てが前月比0.24%の下落、アパートメントが前月比0.59%の上昇という、これまでと変わらない傾向が続いています。
前年の12月からの1年間の変化で見ると、戸建てが0.16%の上昇にとどまる一方で、アパートメントは8.96%の上昇、タウンハウスは3.97%の上昇と、高額な住宅と比較的低価格の住宅群の2極化が鮮明になっています。
全体の平均価格は$764,200で、2018年の平均価格のレンジは$740,000-$770,000で、安定した推移を続けた1年間でした。
2018年の販売は前年から減少、アパート主体の価格上昇が鮮明に
TREB(トロント不動産協会)の販売データによると、2018年通年の住宅販売件数は77,426件で、前年から16.1%の減少となりました。
新規の物件登録は前年から12.7%減少して155,823件となりました。
2018年全体の住宅販売の平均価格は、$787,300となり、前年から4.3%の下落となりました。
住宅販売価格変化の傾向は、アパートメント販売の価格が前年から7.8%上昇するなかで、アパートメントの比率が高いトロント都市部の住宅が好調な一方で、戸建てが多い郊外の価格が下落する結果となっています。
住宅ローンが上昇して、借入基準が厳しくなるなかでしたが、比較的低価格の住宅市場に堅調な価格上昇がみられていることを踏まえると、基本的な需要は依然として強いのではないかと思います。
しかし、戸建ての価格下落を見ても、これまでの数年間での高騰の影響が大きく効いていると思いますので、最近の株価の下落を踏まえると、まだしばらくは横ばいから調整局面が続くのではないかと思います(TREBの担当者は2018年後半に状況が改善したと指摘していますが)。