トロントの住宅市場は引き続き低迷
トロントの2019年1月の住宅価格は前月から小幅下落
トロントの2019年1月の住宅価格は、全体としては前月から0.32%の下落となりました。
基本的にこれまでと変わらない横ばいトレンドですが、これまで全体が横ばいのなかで市場を牽引してきた低価格の住宅の価格上昇が止まったようです。
戸建ては前月比で0.45%の下落、前年同月比で0.04%の下落と全くの横ばいになっています。
アパートメントは、前月比で0.55%の下落、前年同月比で7.99%の上昇となっています。これまではアパートメントを筆頭に、低価格住宅の需要の堅調さが目立っていましたが、この半年間の上昇率は1.20%にとどまっていて、低価格住宅の統制も2018年後半に失速してしまったことがわかります。
特に、トロント都心部以外の地区ではアパートメントが前年同月比マイナスとなっている地区もあり、より都心で購入しやすい価格帯の住宅の上昇がかろうじて続いているものの、トロント住宅市場全体としては鈍さが見られます。
2019年1月の販売は前年と同水準
TREB(トロント不動産協会)の販売データでは、販売数は前年同月比で0.6%増の4,009件となっており、2017年1月の5,155件と比較すると昨年同様の低水準にとどまっています。
販売価格も前年とほぼ同水準、在庫状況も変わらず2017年に比べてやや多めとなっています。
2018年の販売数は7.7万件と、2008年以来の低水準(2009年~2017年は8.5-11.3万件で推移)にとどまっています。
2019年1月も前年から改善した兆候は見られず、過去10年間との比較でみるとやはり低調な市況が続いていると言えます。
一方で、平均の販売価格は10年前と様変わりしています。2008年の平均販売価格が$379,347だったのに対して、2018年の同価格は$787,195と、107.5%、倍以上の価格となっています。
この10年間で最高の平均販売価格となった2017年と比較すると、2018年は4.3%の下落となりましたので、販売動向が前年から大きく変わっていない点や住宅ローンの審査基準の厳格化、ローン金利の上昇を踏まえると、まだまだ住宅価格が改善するということはなさそうです。