世界的に住宅バブルのピークアウトが鮮明に
各国の住宅バブルはクールダウンの兆候
カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデンと、多くの国で低金利などを背景とした住宅バブルが懸念されてきましたが、最近では各国の対応によってクールダウンの兆しがあります。
カナダ(トロント)の住宅市場は戸建ての上昇鈍化が鮮明になってきました。オーストラリアでも住宅ブームがピークアウト(2017年7-9月期は前期比で下落)した感があり、ニュージーランドでも価格上昇が鈍化(オークランドの2017年11月の住宅価格中央値は何とNZ$880,000まで上昇しているものの、前年比では+0.6%の上昇にとどまっています)するなかで外国人による中古住宅購入が禁止される方向に進んでいます。スウェーデンも、価格が前年比で下落に転じるなかで規制強化が進められる状況にあります。
各国のバブル度合の比較
それぞれの住宅バブルの程度を比較するために、リーマンショック以降のOECDの住宅価格データをみてみます。ニュージーランド、スウェーデン、カナダが突出していますね。カナダは特にこの2年間の上昇が顕著ですね(2010年を100としたOECDの指数で2015‐Q3の115.4から2017‐Q3の142.6へ急上昇しています)。
バブル後の調整はどの程度か
各国の住宅市場がピークアウトしつつあるなかで、次の問題は今後どれぐらい調整するのか、ということです。ただ、先行きの見通しで見かけるものはソフトランディング(1桁%の下落)予想か現状水準の維持予想という、調整するけど無難に乗り越えるという予想ばかり。これだけの上昇局面の反動がそれだけで本当に済むのか、また、米国やカナダ、欧州でも進められそうな金融緩和からの正常化が、これまで住宅価格高騰の重要な要因となっていた低金利環境を変化させることも懸念されます。
いつ家を買えばいいのか!?という個人的な視点では、当面様子見で1‐2年は我慢した方がいいかなと思っています。