何歳まで働けばいいのか
最近『How Starbucks Saved My Life』という本を読んで、いま『THE 100-YEAR LIFE』という本を読みながら、一体何歳まで働くつもりでいればいいのか、考えています。
『How Starbucks Saved My Life』は、大手の広告会社で長年働いてきた著者が解雇され、紆余曲折を経て64歳でスターバックスで働き始める話。スターバックスで20代を中心とするずっと歳の離れた若者達と働くことで、大企業で長年働いてきた著者の仕事や同僚に対する考え方が変化していく様子や、レジを担当することを極端に恐れる様子がおもしろい本です。
読み終わると、スターバックスがあまりにも素晴らしく描かれているので働いてみたくなります。
著者の苦闘を通して、年を経て働き続けることの難しさを感じるとともに、恐らく細かい点は異なるでしょうが、自分にも同様の状況が訪れることが想像できます。
『THE 100-YEAR LIFE』の方は、まだ3分の1程度しか読んでいませんが、タイトルからわかるとおり100年以上生きることについて書かれています。平均寿命が10年ごとに2〜3年伸びていく結果として、近年先進国で生まれる子供の半数が100歳を超える年齢まで生きる可能性があることが前提となっています。
現在30代の人間も、90歳を超える年齢まで生きることが高くなっていると。そうなると、当然のこととして現在の年金システムの持続可能性が問題になります。その持続可能性の困難さから、過去数十年主流であった3段階のライフスタイルが変化することが想定されています。
3段階とは、教育−仕事−引退の3つで、過去の平均寿命であれば約40年間の労働期間で貯蓄することで十分にその後の引退期を賄えていたものが、引退期が長くなることでこれまでの労働期間で貯蓄することが非現実になっていくことが具体的な人物を想定して描かれています。
当然の帰結として、労働期間を長くすることで問題の緩和が想定され、さらに、これまでの人生の基本であった3段階のライフスタイルが変わることが予想され、複数の段階をもった人生が主流になることが描かれています。
まだ読んでいる最中なのでこれからどのような対処法が示されていくのかわかりませんが、とりあえず、現時点で既に60〜65歳で仕事期を終えて引退するということがいかに非現実的かということはわかりました。
では、何歳まで働ければいいのか、結論は健康なうちはずっと働き続けるというものだと考えています。著者も100年生きることをGiftとするかCurseとするのかはその人次第と言っていますが、できることならHow Starbucks Saved My Lifeの著者のように60歳を過ぎても喜びを見出しながら働いていければいいなと思います。
How Starbucks Saved My Lifeの著者自身認めているとおり、彼は様々な環境の変化によって追い込まれた偶然の結果としてスターバックスで働き始めていますが、できることなら狙ってそういう状況を作っていきたいところです。
これまで働いてきた年数の2〜3倍働くと考えても長いなーと思うところですが、それが4〜5倍となるとちょっと想像つきませんね。著者の指摘する通り、3段階から多段階の人生になるということは、ひとつの仕事を続けるということではなくて、それぞれの段階で勉強を経ながら様々な変化へ対応していくことが必要になるのでしょう。
また、子どもの教育期間が長くなることも想定しておく必要がありそうです。既にその兆候はありますが、大学院を複数経ていくことも当然のことになるでしょう。親がどこまで金銭的にサポートするべきかはわかりませんが・・
70〜80歳まで働くことを考えると、日本とカナダ、どちらで働いているか、先のことはわかりませんが、日本はこういった社会の変化への対応は苦手ですから、選択肢としては難しいかもしれませんね。
日本では最近働き方改革が進められていますが、「みんなで」何かを変えていこうとしている限り、根本的な改善は難しいでしょうね。「みんなで」というマインドが日本企業の働きにくさの根源ですからね・・
いまの働き方改革の内容自体はいいことばかりですので、ぜひこのままいい方向に進んでいって欲しいなと思います。私もそうですが、子供たちも日本で働く可能性がありますからね。
長い人生をずっと勉強し続けていくというのはなかなか大変そうですが、できることならそれぞれの段階を楽しみながらやっていきたいですね。
それにしても、THE 100-YEAR LIFEを読んでいると90歳ぐらいまで軽々と長生きできそうな気になるから不思議です。