カナダ雇用統計(2018年1月)
カナダの雇用はマイナス8.8万人
2月9日にカナダの2018年1月の雇用統計が発表されました。
前月までの2か月の好調な雇用統計からすると失望する内容でした。
1月は、前月から8.8万人の雇用減で、パートタイム雇用者が13.7万人も減少したことでマイナスとなりました(フルタイム雇用は+4.9万人)。事前の市場予想(+1万人程度)も下回りました。
失業率は0.1%上昇して5.9%となりました。労働参加率も65.8%から65.5%に0.3%も低下していますので、あまりいい結果ではないですね。
ただ、2017年の11月に8.0万人、12月に7.9万人と非常に強い数値が続いていましたので、基本的にはその反動かと思います。
フルタイム雇用は+4.9万人ですし、1年間では41.4万人も雇用が増えていますので、いまのところ全体的に悪化しているとは思いませんが、とりあえず絶好調という状況が続いている訳でもないということですね。
今回の雇用減はオンタリオ州とケベック州の影響が大きく、オンタリオ州が5.1万人減、ケベック州が1.7万人減となっています。
オンタリオ州の失業率は5.5%、2017年1月と比べると、雇用者が10.4万人増加して、失業率が0.9%低下していますので、全体的には好調ななかで調整したという感じです。
産業別には、教育関係の2.0万人のほか、金融・保険・不動産関連の1.8万人減を筆頭に、幅広い産業で雇用減となっています。
カナダドルは一時下落も影響は限定的
雇用統計発表直後は、雇用者数が市場予想に反して減少となったことで対ドルで1.26台前半から1.26台後半までカナダドル安となったものの、その後すぐに戻し、結局1.25台での引けとなっています。
全体として好調ななかでの一時的な反動だと思いますので、このような反応だったのではないかと思います。
BoCの利上げ期待は高まりにくい環境に
今後の動向として気になるのは、BoCの利上げへの影響ですね。
前回2018年1月のBoCの利上げ時には、NAFTA再交渉の影響もあってやや慎重な姿勢も見せていたBoCですので、今回の指標でやや追加利上げの期待が高まりにくくなりました。また、最近の株式市場の混乱や供給増を懸念して原油も下げていますので、そのあたりからも追加利上げの期待が高まりにくいと考えておいた方がいいかもしれません。