カナダ雇用統計(6月)は強弱入り交じり、利上げ観測に影響なし
カナダの6月雇用統計は予想を上回る伸びも、パートタイム中心の伸び
カナダの6月の雇用者数は、32,000人の増加となりました。5月は7,500人減少、4月は1,100人減少でした。市場予想は24,000人でしたので、雇用者数の伸びはポジティブな結果でした。ただし、パートタイム雇用者が22,000人増ということで、内訳はそれほど強くもないという感じです。
失業率は5.8%から6.0%へと上昇しましたが、こちらは労働参加率が0.2%(65.5%←65.3%)伸びたことによるもので、ネガティブな結果ではありません。
製造業部門は、1万人を超える増加となり、今年に入って初めての増加となっています。
2017年は大幅な雇用者増となりましたが、2018年前半の雇用者数は大きな動きはありませんでした。
時間当たり平均賃金は、前年比3.5%の伸びとなり、前月の3.9%から伸びが鈍化しています。
地域別には、オンタリオ、サスカチュワン、マニトバで雇用が増加していますが、それ以外の州では大きな動きはありません。オンタリオの雇用者数は6月に35,000人の増加となり、直近1年間では157,000人(+2.2%)の雇用増となりました。
カナダ中銀の利上げ(7月11日開催)観測には影響ない模様
今回の結果は、それほどよい内容と言い切れるほどの結果ではありませんでしたが、これまで雇用の停滞感が続いていたなかではましな数値となり、労働参加率の高まりからも全体としての好況感が伝わってきます。
失業率の低下には一服感があり、雇用者数の増加だけをみれば停滞しているように思えますが、全体としての労働市場はまだまだ好調を維持しているようで、今回の雇用統計が7月の利上げ観測に影響を及ぼすことはなさそうです。
既に80%を超える確率でカナダ中銀の利上げが織り込まれている状況のようですし、米国の利上げ観測を上回るペースでのカナダ中銀の利上げは望めそうにありませんので、利上げが行われる場合はカナダドルへの影響は限定的となるでしょう。
5月の貿易収支は赤字拡大
全体でC$2.8 billionの貿易赤字と、4月のC$1.9 billionから赤字が拡大しています。
輸入が前月比で1.7%増加したことが赤字拡大の要因で、航空機とエネルギー関連の輸入増によりまし。
輸入は前年比で3.5%増加しています。貿易摩擦が懸念されるなかで貿易赤字の拡大がどのように為替に影響してくるのか、少し気になりますね。
January 2017 | 46.4 | 46.9 |
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February 2017 | 45.5 | 47.1 |
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April 2018 | 48.4 | 50.3 |
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