カナダ雇用統計(2017年12月)
2017年12月の雇用統計
11月は雇用者数が8.0万人増加、12月は7.9万人増加となり、2か月連続で大幅な雇用増となっています。
失業率も2か月間で大幅に低下(11月に0.4%低下、12月にも0.2%低下)して5.7%となっています。これは、1976年以降の比較可能なデータのなかで最低の失業率です。
2017年10-12月期では19.3万人の雇用増(3か月間の増加幅では1976年以降最大)、2017年の通年の雇用者数は42.3万人(+2.3%)増加(2002年以来の大幅増)、失業率は2016年12月から1.2%も下がりました。
- 年齢別では男女共に25~54歳及び55歳以上は雇用の増加が見られた一方、15~24歳の若年層はほぼ変わらずでした。
- 州別ではQuebecとAlbertaで最も大きい雇用の増加となった一方、Nova Scotia、Saskatchewan、New BrunswickとPrince Edward Islandでの増加は比較的小幅なものとなりました。
- 産業別では、サービス産業での増加が目立ちました。特に金融、保険、不動産業等。その他サービス業(教育、運輸業、倉庫業)も雇用増加が見られました。製造業では、天然資源セクターで雇用が最も増加しました。
- 経営タイプ別では、自営業の労働者と公共部門を中心に雇用が増加しました。
オンタリオ州
- オンタリオ州では11月に雇用増となって以来12月はほぼ変わらずとなり、失業率も5.5%のままです。
- 2017年を通して雇用は+2.5%(176,000人)と2015年と2016年それぞれのおよそ倍の増加率を記録しました。雇用増はほぼ正規雇用者で、失業率も前年から0.9%pt低下して5.5%で年を終えました。
正規雇用が増加しているということはとてもいいことですね。(パートタイムばかりが増えていてはあまり質のいい労働市場とは言えないからです。)
正規雇用者の賃金の伸びも加速してきており、非常に良好な労働市場を背景にBoCの利上げが期待されているものの、カナダ当局者の発言からにわかに米国のNAFTA離脱に焦点があたっており、利上げ観測が僅かに後退しているようです。
2件のフィードバック
[…] コアCPIでは、BoCが参照する3つのうち2つで伸びが加速していましたが、CPI-commonは僅かに伸びが鈍化しています。コアの伸びは最近加速していますが、BoCのインフレターゲットからすると物価的に焦って利上げするような状況ではないですね。ただ、いまBoCが考えている「徐々に金融刺激を必要としなくなる」の背景としては、好調な雇用市場と合わせて十分かもしれません。 […]
[…] 前月までの2か月の好調な雇用統計からすると失望する内容でした。 […]