2018年9月のカナダ中銀は据え置き(1.50%)、10月利上げへGo
カナダ中銀は予想通り据え置き(1.50%)
9月5日のカナダ中銀(BoC)は、市場予想通り1.50%で据え置きとなりました。
前週に発表されていた第2四半期は、2.9%(四半期比、年率換算)と、予想の3.1%を下回っていて(第1四半期は1.3%から1.4%に上方修正されました)、利上げを急ぐ理由は見当たりませんでした。
声明文は、インフレの直近のデータが3%を超えたことを指摘しつつも、結局2019年初めには2%に戻るとの見通しを示しています。
経済成長についても、四半期ごとの振れはありつつも(第1四半期は1.4%、第2四半期は2.9%、第3四半期は一時的なスローダウンを想定)、7月時点の想定通り、潜在成長率並みの好調さを維持しているとの認識を示しています。
全体を通して、BoCは7月の見通しから足元の9月時点まで、「想定通り」の経済環境という見方を強めているようです。
これまでの利上げによる影響についてもポジティブに評価しているようで、債務の伸びが鈍化していて、家計の債務対収入の比率は低下を始めている点を挙げています。
また、住宅市場についても、利上げと住宅ローン規制の強化に対応することで、安定化しつつあるとの認識を示しています。
次回10月24日の利上げは既定路線
BoCは今後の金融政策について、最近のデータに基づくとインフレターゲットのために利上げが正当化されるという認識とともに、データに基づき漸進的なアプローチをとる、これまでと同様の方針が示されています。
最後にNAFTA再交渉への懸念が示されていますが、全体としては、緩やかな利上げを継続する方針を明確に示していて、次回10月24日のBoCでは利上げが実施されるでしょう。
次回理事会での利上げは既に80%程度織り込まれているようですので、9月のFOMCで利上げが実施されるのを確認しつつ、カナダも追随して利上げしていくことになります。
今回のBoCはカナダドルへの影響はほぼなし、市場の焦点はNAFTA交渉
カナダドルは今回のBoCの結果を受けても大きな動きはありませんでした。
市場の焦点は8月最終週に米国とメキシコのNAFTA交渉が大きく進展し、カナダも加わるかどうか、というかなり厳しい立場にカナダが追い込まれていることにあたっています。
今月中にも米国とカナダの交渉の結果が出るようです。
市場はこの不透明感をかなり警戒しているようですので、結果次第ではカナダドルが大きく動くものと思われます。