カナダのCPIはトーンダウン、小売も弱く、CAD大幅安
カナダの9月のCPIは予想を下回る結果
10月19日に発表されたカナダの9月のCPIは、前年比2.2%の伸びとなり、7月の3.0%、8月の2.8%から伸びが鈍化しました。
航空運賃の伸びが鈍化したことなどから、前年比での伸びが鈍化しています。
カナダ中銀(BoC)の行動を考えるうえでより重要なコア指数も、前月から小幅に伸びが鈍化しています。
9月 CPIコア指数(前年比伸び率)
CPI−trim 2.1% (8月2.2%)
CPI−median 2.0% (8月2.1%)
CPI−common 1.9% (8月2.0%)
8月の小売売上高も低調
CPIと同日に発表された8月の小売売上高は、前月から0.1%減少、市場予想が+0.3%だったので、非常に低調でした。
自動車を除いたベースでも、前月から0.9%の減少となり、市場予想の+0.1%を大きく下回りました。
カナダドルは大幅安、カナダ中銀の利上げ加速は望み薄
経済指標発表後、1.3040あたりから1.31付近までカナダドルが下落しました。
カナダ中銀の経済に対する認識、BOS(Business Outlook Survey)等から見られる労働市場の強さから考えると、今回の低調な経済指標でも、10月24日の利上げは揺るがないと想定されます。
ただし、先行きの利上げについて、カナダ中銀が何か示唆することはないのではないかと思われます。
NAFTAの再交渉という最大の不透明要因が払拭され、基本的にカナダ中銀はインフレの安定に利上げが必要になると考えているはずですが、方針の明示は避けて、経済指標、米国の利上げの状況などの外部要因を順次確認しながら段階的な利上げアプローチをとることが想定されます。
今回の経済指標の弱さはやや懸念されるところですので、状況を確認していくためにも、利上げバイアスを維持しつつ、加速は明示せずに段階的な利上げスタンスを維持するものと思われます。