トロント住宅価格(2018年5月)、2018年後半も堅調な推移が見込まれる
トロントの住宅価格は緩やかな回復を維持
トロントの2018年5月の住宅価格指数(HPI)は、前月から0.79%上昇、前年同月から5.40%の下落となり、平均価格は$772,400となりました。
トロントの住宅価格指数は2017年5月にピーク(平均価格は$821,400)をつけていましたので、そこから5%強の下落となりましたが、価格の調整は2018年1月に平均価格$743,200で終わりました。そこからは緩やかな上昇を続けていて、1月のボトムから5月までに3.9%の上昇となっています。
販売数、新規物件登録数は依然として低迷
販売は依然として前年比で20%を超える減少(前年同月比‐22.2%)となっています。
新規物件の登録も大幅に減少しています。新規物件の登録は昨秋以降減少した状況が続いていて、課題となっています。
研究によると、多くの家庭が余剰なベッドルーム(オンタリオで総計500万を超えるベッドルーム)を抱えているものの、彼らはその物件を売却リストに載せることはしないそうです。
理由は、引越すのに適切な住居タイプがないため。戸建てでは大きすぎるければ、コンドミニアムではやや狭い、という問題をどうするかという課題があるようです。
新規物件登録が減少している背景として考えていたのは、「現在の物件を売却しても次に買う住宅も高すぎる」ということかと思っていましたが、そのなかで戸建て、コンドミニアムといった住宅のタイプがニーズに合致していないという状況もあったようです。
トロントの住宅価格は2018年後半、2019年にかけて堅調推移が見込まれる
トロント不動産協会(TREB)によると、新規物件登録数が減少している結果として、販売数が低迷するなかでも買い手の競争が強まることで市場環境が引き締まり、2019年にかけて住宅価格は堅調に推移することが見込まれています。
昨今のグローバルな金融環境からすると、カナダ中銀が利上げペースを加速させることは難しくなってきたと思われますので、その点からも住宅価格の堅調な推移は続きそうです。