需給がタイトなトロント住宅市場、売りシグナルが点灯した香港住宅市場
トロントの9月の住宅価格は前月から横ばい
トロントの2018年9月の住宅価格(HPI)は前月から0.08%上昇しました。
8月まで3カ月連続で下落していましたが、9月は前月から横ばいとなりました。
住宅の種別で見た騰落は引き続き戸建てが下落、集合住宅が上昇となっていて、前月比で、戸建てが-0.08%の下落、Semi-Detachedが0.20%上昇、タウンハウスが0.67%上昇、アパートメントが0.16%の上昇となっています。
前年同月比で見ても同様の傾向で、戸建てが-1.43%の下落、Semi-Detachedが1.11%上昇、タウンハウスが3.13%上昇、アパートメントが10.16%の上昇となっています。
需要は良好、供給が伸びず、需給はタイト
TREB(トロント不動産協会)の販売データによると、8月同様、販売件数と平均販売価格は改善しています。
販売数は前年同月比で1.9%増加、平均販売価格は同2.9%上昇しています。
新規物件登録件数は前年同月比から3.1%減少していて、新規物件が減る中で販売が増加していて、需給が引き締まっています。
住宅購入者からすると、適当な物件が見つけづらくなっていて、引き続きTREBとしては、需要よりも供給の方に課題があると考えているようです。
香港住宅市場には売りシグナル
ブルームバーグによると、香港の住宅市場に先行すると言われている不動産株指数が1月のピークから20%下落したとのこと。
この指標は、これまで香港の住宅価格が下落局面に入る4回の局面で同様の下落を示していたとのこと。
ブルームバーグ:3年ぶりに「売り」シグナル-香港住宅市場の先行指標が示す
香港の住宅市場はトロント・バンクーバー以上の住宅バブルと言われていますので、世界的に住宅市場の低迷が見えてきたと言えそうです。トロント同様の住宅バブルを呈していたシドニーでも、今年に入ってから下落が続いている状況です。
ただし、トロントの今月の状況を見る限り、依然として需給が良好で、簡単には崩れそうにありません。
FOMCやBoCは来年にかけてもまだまだ利上げを続けていきそうですので、住宅投資のコスト面の上昇はまだ続きそうですが、いまのところトロント住宅市場には大きな調整の予兆はなさそうです。