トロント住宅市場はタイトな需給で横ばい持続
トロントの11月の住宅価格は前月から小幅下落も概ね横ばいの範疇
トロントの2018年11月の住宅価格指数(HPI)は、0.36%低下しました。
2018年に入ってからは安定した価格推移が続き、前年同月からは2.73%の上昇となっています。
11月は若干下落しましたが、趨勢としては横ばいが続いていると言えます。
全体の平均価格は$763,600で、直近1年間の平均価格のレンジ$740,000-$770,000の推移を続けています。
住宅種別では、アパートメント、タウンハウスといった集合住宅の前年比での上昇率が高い状態が続いています。しかし、直近3-4か月は概ね横ばいか小幅上昇で、集合住宅においても価格上昇の勢いは鈍っていると言えます。
一方の戸建ては、前年同月から0.28%の下落となっていて、全く横ばいです。
需要は良好、供給が伸びず、需給はタイト
TREB(トロント不動産協会)の販売データによると、販売件数は前年同月から大きく減少(14.7%減)しているものの、新規物件登録も26.1%も減少していて、引き続き需給がタイトな状況が続いていることがわかります。
昨年末は規制強化前の駆け込み需要で販売が伸びていたので、販売数の減少自体は想定通りのものですが、新規物件の供給がより大幅に減少していることによる影響はありそうです。
全体の物件数(Active Listings)は9.8%の減少で、やはりこちらも同様の傾向です。
平均販売価格は前年同月比で3.5%の上昇で、需給のタイトさに支えられているものと思いますが、概ね横ばいです。
近年の価格上昇でも供給が増えてこないことを考えると、現下の需給のタイトさに支えられる環境は当面持続しそうですが、このタイトさを前提に供給が増加し、今後想定される景気の悪化で需要がさらに鈍ると、価格が下落を開始するのではないかと思います。
とはいえ最近ようやく集合住宅の価格上昇が止まったばかりですので、まだまだ住宅供給への需要は強いであろうと思いますので、しばらくは横ばいのまま推移ですね。